Hoffa病 Infrapatellar fat pad syndrome【整形外科】
- 5月2日
- 読了時間: 4分

ザ・ヨコハマフロントベイサイドクリニック
整形外科・リハビリテーション外来
この記事でわかること
・Hoffa病とは何か
・症状と発症しやすい人
・原因と病態
・検査と診断方法
・治療方法・受診の目安
結論
膝のお皿の下あたりに痛みがあり、膝を伸ばし切ったときに痛みが強くなる場合、Hoffa病の可能性があります。外傷後だけでなく、膝を反らしやすい体質や動作の癖によって慢性的に発症することもあります。早期に原因を確認し、過伸展を避ける生活指導と適切な治療を行うことが重要です。
Hoffa病とは
Hoffa病は、膝蓋骨の下にある「膝蓋下脂肪体」に炎症や浮腫、線維化が生じることで膝前面に痛みを起こす疾患です。
膝蓋下脂肪体は、膝関節の前方に存在する柔らかい組織で、膝の動きを滑らかにする役割があります。しかし、膝を伸ばし切る動作や過伸展が繰り返されると、脂肪体の深層が大腿骨と脛骨の間に挟み込まれ、出血や腫れ、炎症を起こします。
症状
・膝のお皿の下の痛み
・膝を伸ばし切ったときの痛み
・膝前面の違和感
・階段やしゃがみ込みでの痛み
・運動後の痛み
痛みは膝蓋腱の内側または外側に出ることがあり、膝を完全に伸ばす動作で症状が強くなることがあります。
原因と病態
Hoffa病は、膝蓋下脂肪体が関節内で挟み込まれることにより発症します。
主な原因として以下が考えられます。
・膝の過伸展・外傷
・スポーツによる反復負荷
・膝前面への慢性的な刺激
・膝関節周囲の柔軟性や筋力バランスの乱れ
若い女性や、膝が反りやすい方に発症しやすい傾向があります。
検査・診断
診察
膝前面の痛みの部位、圧痛、膝の可動域、過伸展の有無を確認します。
Hoffaテスト
膝蓋腱の内側または外側を圧迫しながら、膝を曲げた状態から完全に伸ばしていき、痛みが誘発されるかを確認します。
エコー検査
エコーでは、膝蓋下脂肪体の深層に低エコー域と高エコー域が混在する領域を確認することがあります。ドプラモードでは、炎症部位周辺に血流シグナルを認める場合があります。
必要に応じてMRI検査
症状が長引く場合や他の疾患との鑑別が必要な場合は、MRIで脂肪体の浮腫や炎症を評価します。
治療
生活指導
膝関節の過伸展で痛みが誘発されることが多いため、膝を反らせる動作を避けることが重要です。
・立位で膝を伸ばし切らない
・反張膝の姿勢を避ける
・痛みを誘発する運動を一時的に控える
・膝前面への圧迫を避ける
薬物療法
痛みや炎症が強い場合は、消炎鎮痛薬などを使用します。
リハビリテーション
膝関節周囲の筋力バランスや柔軟性を整え、脂肪体への負担を軽減します。
・大腿四頭筋の過緊張の調整
・ハムストリングスの柔軟性改善
・股関節、足関節を含めた動作指導
・過伸展を防ぐ姿勢指導
エコーガイド下注射
炎症部位や血流シグナル周辺を確認しながら、エコー下で局所麻酔薬とステロイドを投与することがあります。炎症を抑え、疼痛の軽減を目的として行います。
当院の診療方針
当院では、膝前面の痛みを単なる使いすぎと判断せず、痛みの部位と誘発動作を丁寧に確認します。
・Hoffaテストによる疼痛誘発評価・エコーによる膝蓋下脂肪体の評価・過伸展を避ける生活動作指導・必要に応じたエコーガイド下注射・再発予防を目的としたリハビリテーション
症状の改善だけでなく、再発しにくい膝の使い方まで含めて治療します。
よくある質問
Q:Hoffa病は自然に治りますか
A:軽症であれば安静や動作改善で軽快することがあります。ただし、過伸展や負荷が続くと慢性化することがあります。
Q:膝のお皿の下が痛い場合、Hoffa病ですか
A:Hoffa病の可能性はありますが、膝蓋腱炎、半月板損傷、膝蓋大腿関節障害など他の疾患との鑑別が必要です。
Q:運動は続けてもよいですか
A:痛みを誘発する動作は一時的に控えることが推奨されます。症状に応じて運動内容を調整します。
Q:注射は必要ですか
A:すべての方に必要ではありません。炎症が強い場合や保存療法で改善が乏しい場合に検討します。
Q:再発しますか
A:膝を反らせる癖や反復負荷が残ると再発することがあります。姿勢や動作の改善が重要です。
受診の目安
・膝のお皿の下の痛みが続く
・膝を伸ばし切ると痛い
・運動後に膝前面が痛む
・膝の過伸展を指摘されたことがある
・湿布や安静でも改善しない
これらの症状がある場合は、早期の受診をおすすめします。
ご相談・ご予約
膝前面の痛みは、原因を正確に確認することで改善が期待できます。当院では、エコー検査と動作評価を組み合わせ、Hoffa病に対する適切な診断と治療を行っています。す。





