アトピー性皮膚炎 【皮膚科】
- 4月30日
- 読了時間: 6分

原因・食物アレルギーとの関係・治療とスキンケア
ザ・ヨコハマフロントベイサイドクリニック
公開日:2026.04.30監修:ザ・ヨコハマフロントベイサイドクリニック

この記事でわかること
アトピー性皮膚炎の本当の原因
食物アレルギー検査との正しい向き合い方
乾燥肌・汗・ダニ・ハウスダストとの関係
悪化させない治療とスキンケア
受診すべきタイミング
結論:アトピー性皮膚炎は「アレルギーだけ」の病気ではありません
アトピー性皮膚炎は、単なるアレルギー疾患ではなく、皮膚のバリア機能が低下し、
乾燥・汗・摩擦・ダニ・ハウスダストなどの刺激で悪化しやすくなる皮膚疾患です。
特にお子様の場合、食物アレルギー検査で陽性が出ることがありますが、
検査が陽性=その食べ物がアトピーの原因とは限りません。
大切なのは、
湿疹を早めに治す
皮膚を良い状態に戻す
保湿を継続する
自己判断で食物除去をしない
ということです。
アトピー性皮膚炎とは?
アトピー性皮膚炎とは、かゆみを伴う湿疹が良くなったり悪くなったりを繰り返す
皮膚の病気です。
主な特徴は以下の通りです。
皮膚が乾燥しやすい
かゆみが強い
湿疹を繰り返す
掻くことでさらに悪化する
年齢によって出やすい部位が変わる
乳幼児から大人まで発症しますが、特にお子様では、顔・首・肘の内側・膝の裏など
に湿疹が出やすくなります。
アトピー性皮膚炎の原因
アトピー性皮膚炎の原因はひとつではありません。いくつもの要因が重なって悪化します。
1. 皮膚の乾燥
アトピー性皮膚炎では、皮膚のうるおいを保つ力が弱くなりやすく、乾燥によってバリア機能が低下します。
皮膚のバリア機能が低下すると、外からの刺激が入りやすくなり、かゆみや炎症が起こりやすくなります。
2. 汗による刺激
汗そのものは体に必要な働きですが、アトピー性皮膚炎のある皮膚では、汗が刺激となってかゆみを引き起こすことがあります。
特に暑い季節には、
首のしわ
肘の内側
膝の裏
背中
わき
などに湿疹が出やすくなります。
3. 掻きこわし
かゆくて掻くと、一時的には楽になりますが、皮膚の表面が傷つき、さらに刺激に弱くなります。
その結果、
かゆい → 掻く → 皮膚が傷つく → さらに悪化する
という悪循環に入りやすくなります。
4. ダニ・ハウスダスト
乾燥肌や掻きこわしを放置すると、皮膚からアレルゲンが入りやすくなります。
その結果、ダニやハウスダストなどに対するアレルギー反応が起こりやすくなることがあります。
つまり、皮膚を良い状態に保つことは、アレルギー対策としても非常に重要です。
食物アレルギーとアトピー性皮膚炎の関係
ここは特に誤解されやすいポイントです。
アトピー性皮膚炎のお子様では、血液検査で卵・牛乳・小麦などの食物アレルゲンに陽性反応が出ることがあります。
しかし、検査で陽性だからといって、その食品がアトピー性皮膚炎の原因とは限りません。
実際には、食物アレルギー検査で陽性でも、その食品を食べて皮膚炎が悪化するとは限らないため、自己判断で食事制限を行うことはおすすめできません。
自己判断の食物除去は注意が必要です
「アレルギー検査で陽性だったから食べさせない」という判断を自己流で続けると、成長期のお子様では栄養バランスが崩れる可能性があります。
食物除去が必要かどうかは、
実際に食べた後の症状
血液検査の結果
皮膚の状態
年齢
栄養状態
などを総合的に判断する必要があります。
アトピー性皮膚炎の治療
アトピー性皮膚炎の治療で大切なのは、悪くなった皮膚をまず治療薬でしっかり良い状態に戻すことです。
1. 炎症を抑える外用薬
湿疹が出ている部分には、炎症を抑える塗り薬を使用します。
症状や部位に応じて、薬の種類や強さを調整します。
2. 保湿剤によるスキンケア
皮膚の状態が良くなった後も、保湿剤によるスキンケアを続けることが大切です。
保湿は単なる乾燥対策ではなく、皮膚のバリア機能を守る治療の一部です。
3. かゆみ対策
かゆみが強い場合は、必要に応じて内服薬を使うことがあります。
夜間のかゆみで眠れない場合や、掻きこわしが強い場合は、早めに相談しましょう。
日常生活でできるスキンケア
入浴・シャワー
汗をかいたら早めに洗い流す
熱すぎるお湯は避ける
石けんは低刺激のものを使う
ゴシゴシ洗わない
入浴後はすぐ保湿する
衣類
綿素材など肌にやさしい服を選ぶ
汗をかいたら着替える
首元や関節部分の蒸れに注意する
室内環境
寝具を清潔に保つ
ダニ・ハウスダスト対策を行う
乾燥しすぎないようにする
掃除をこまめに行う
受診をおすすめする症状
以下のような場合は、皮膚科・小児科での相談をおすすめします。
かゆみが強い
夜眠れない
湿疹を繰り返す
皮膚がジュクジュクしている
掻きこわして出血している
市販薬で改善しない
食物アレルギーが心配
保湿してもすぐ悪化する
よくある質問
Q. アトピー性皮膚炎は食物アレルギーが原因ですか?
必ずしもそうではありません。食物アレルギー検査で陽性でも、その食品がアトピー性皮膚炎の原因とは限りません。自己判断で除去せず、医師に相談しましょう。
Q. アトピー性皮膚炎は治りますか?
年齢とともに改善する方もいますが、症状を繰り返すことがあります。大切なのは、悪化した時だけ治療するのではなく、良い皮膚状態を維持することです。
Q. 保湿だけで治りますか?
乾燥だけで軽い場合は保湿で改善することもありますが、赤みやかゆみが強い湿疹には炎症を抑える治療が必要です。
Q. ステロイド外用薬は怖いですか?
適切な強さ・量・期間で使用すれば、湿疹を早く改善するために有効な治療です。自己判断で中止したり、少なすぎる量で使ったりすると、かえって長引くことがあります。
まとめ
アトピー性皮膚炎は、単なるアレルギーではなく、皮膚の乾燥・バリア機能低下・汗・刺激・掻きこわし・環境要因が重なって悪化する皮膚疾患です。
特にお子様では、食物アレルギー検査の結果だけで原因を決めつけるのではなく、皮膚の状態を整えることが大切です。
湿疹が出たら、まずは治療薬で炎症を抑え、良い状態に戻す。その後は、保湿剤でスキンケアを継続する。
この流れが、再発予防の基本です。

経歴
東海大学医学部医学科卒業後
横浜市立大学附属市民総合医療センター
東邦大学医療センター大森病院皮膚科入
大学病院では、アトピー・生物製剤専門外来(デュピクセント)、
美容・レーザー外来を担当。
その後、JCHO東京高輪病院
都立荏原病院皮膚科診療責任者
都立荏原病院皮膚科医長を経て、現在に至る。
アトピー性皮膚炎
尋常性ざ瘡(にきび)
尋常性疣贅(いぼ)治療を得意とする
資格・所属
日本皮膚科学会認定
皮膚科専門医
指導医日本美容皮膚科学会 正会員日本皮膚病理組織学会
正会員ボトックスビスタ® 認定医ジュビダームビスタ® 認定医
医院長 黒沼 亜美(皮膚科医)
クリニック情報
THE YOKOHAMA FRONT BAYSIDE CLINIC
ザ・ヨコハマフロント・ベイサイドクリニック
〒221-0835
神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町一丁目41番地
THE YOKOHAMA FRONT 3階
(THE YOKOHAMA FRONT CLINIC MALL内)





