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有痛性分裂膝蓋骨 

  • 5月2日
  • 読了時間: 3分

監修:ザ・ヨコハマフロントベイサイドクリニック


有痛性分裂膝蓋骨とは

分裂膝蓋骨とは、膝蓋骨(膝のお皿)が1つの骨として完全に癒合せず、2つ以上に分かれた状態を指します。

多くは先天的なもので、人口の約2〜3%にみられます。そのうち、分裂部に痛みを伴う状態を「有痛性分裂膝蓋骨」といいます。

分裂部は線維性組織でつながっていることが多く、外力や繰り返しの負荷により炎症が生じることで症状が出現します。


原因と病態

明確な原因は不明ですが、以下が関与します。

・先天的な骨癒合不全

・スポーツによる反復負荷

・膝の屈伸による牽引ストレス

・外傷(打撲など)

膝蓋骨には大腿四頭筋が付着しており、膝の曲げ伸ばしのたびに分裂部へ牽引力がかかります。この繰り返しにより炎症が生じ、疼痛が発生します。


発症しやすい人

・スポーツ選手(特にジャンプ・ダッシュ競技)

・10代〜若年成人・男性(約80%)

約25%は両側に発生するとされています。


症状

・走る、ジャンプなどの動作で膝前面に痛み

・膝蓋骨周囲の圧痛(特に外側上方)

・膝の屈伸時の痛み・運動後の痛み増強

日常生活では無症状でも、スポーツを契機に痛みが出現することが特徴です。


検査・診断

身体所見

・圧痛の確認

・大腿四頭筋の柔軟性評価


レントゲン検査

・分裂した膝蓋骨の確認


CT検査

・骨片の形態や位置関係の詳細評価


エコー検査(重要)

・分離部の血流シグナルの有無を確認

有痛性の場合:血流シグナルあり無症候性の場合:血流シグナルなし


治療

保存療法(基本)

生活・運動指導

・痛みがある場合は運動量を制限

・過度な負荷の回避


ストレッチ

・大腿四頭筋の柔軟性改善

・外側広筋の緊張軽減


アイシング

・運動後に炎症を抑制


薬物療法

・消炎鎮痛薬(内服・外用)


物理療法・リハビリ

・筋バランス調整・膝関節機能改善


エコーガイド下注射

血流シグナルを認める分離部に対して、局所麻酔薬とステロイド

(トリアムシノロン5mg)を投与します。

炎症を抑え、疼痛の軽減を図ります。


手術療法(難治例)

保存療法で改善しない場合に検討します。

・骨片摘出

・分裂部の固定(骨癒合促進)

・外側広筋腱の処理

症状や競技レベルに応じて最適な方法を選択します。


結論

膝のお皿の外上方に痛みがあり、運動時に増悪する場合、有痛性分裂膝蓋骨の可能性があります。適切な安静とリハビリ、必要に応じた注射治療により、多くは手術を行わずに改善が期待できます。


当院の診療方針

当院では、有痛性分裂膝蓋骨に対して段階的な治療を行います。

・レントゲンおよびエコーによる正確な評価

・スポーツ継続の可否を含めた指導

・筋柔軟性と動作改善を重視したリハビリ

・必要に応じたエコーガイド下注射

競技復帰を見据えた治療方針を提案します。


よくある質問

Q:分裂膝蓋骨は珍しいですか

A:約2〜3%の方にみられる比較的よくある形態です


Q:必ず痛みが出ますか

A:多くは無症状ですが、負荷が加わると痛みが出ることがあります


Q:運動は続けてもよいですか

A:痛みがある場合は一時的な制限が必要です


Q:注射で治りますか

A:炎症が主体の場合は改善が期待できます


Q:手術が必要になることはありますか

A:保存療法で改善しない場合に限り検討します


受診の目安

・膝のお皿周囲に痛みがある

・運動時に痛みが強くなる

・押すと局所的に痛い

・ストレッチや休養で改善しない

これらの症状がある場合は受診をおすすめします。


ご相談・ご予約

膝前面の痛みは、適切な評価により原因が明確になります。当院では、スポーツ障害を含めた専門的診断と治療を行っています。

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