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生理痛がひどいのは子宮内膜症?症状・原因・不妊との関係・治療

9月10日
読了時間: 8分
生理痛がひどいのは子宮内膜症?症状・原因・不妊との関係・治療

「生理のたびに痛み止めが必要になる」

「以前より生理痛がひどくなってきた」

「生理中、仕事や学校を休むほどお腹が痛い」

「性交時や排便時にも痛みがある」

こんな症状を「生理だから仕方ない」と我慢していませんか?

強い月経痛の背景には、子宮内膜症が隠れていることがあります。

子宮内膜症は、本来は子宮の内側にある子宮内膜に似た組織が、卵巣や骨盤内など子宮以外の場所で増殖する病気です。

日本産科婦人科学会によると、20〜30代で発症することが多く、30〜40歳頃にピークを迎えるとされています。

子宮内膜症では、

  • 強い生理痛

  • 下腹部痛

  • 腰痛

  • 排便痛

  • 性交痛

  • 不妊

など、女性の日常生活や将来の妊娠に影響する症状が起こることがあります。

今回は、子宮内膜症について、女性が知っておきたい症状・原因・検査・治療・不妊との関係まで婦人科の視点から解説します。

子宮内膜症とは?

子宮内膜症とは、子宮内膜あるいはそれに似た組織が、本来あるべき子宮内腔以外の場所に発生する病気です。

病変ができやすい場所には、

  • 卵巣

  • 子宮と直腸の間

  • 子宮周囲の靱帯

  • 卵管

  • 骨盤腹膜

などがあります。

代表的なのが、卵巣に子宮内膜症ができる**卵巣子宮内膜症性嚢胞(チョコレート嚢胞)**です。

まれに腸管・膀胱・尿管・臍・胸腔などに発生することもあります。

子宮内膜症の代表的な症状

① 生理痛が強い

最も代表的な症状です。

子宮内膜症では、約9割の患者さんに月経時の痛みがみられるとされています。

特に注意したいのは、

「昔はそれほど痛くなかったのに、年々生理痛がひどくなっている」

というケースです。

② 生理以外の日も下腹部・腰が痛い

子宮内膜症が進行すると、生理中だけではなく、

  • 生理前

  • 排卵期

  • 生理後

  • 日常生活中

にも下腹部や腰の痛みを感じることがあります。

このような状態は慢性骨盤痛と呼ばれます。

「生理痛はみんなある」は危険?

生理痛自体は珍しい症状ではありません。

しかし、

  • 痛み止めを毎月何度も使う

  • 痛み止めが効きにくくなった

  • 学校・仕事を休む

  • 寝込むほど痛い

  • 年々悪化する

場合には、一度婦人科で原因を確認することをおすすめします。

強い月経痛は、

子宮内膜症子宮腺筋症子宮筋腫

など婦人科疾患のサインになることがあります。

排便すると痛いのも子宮内膜症?

あります。

子宮内膜症では、子宮の後ろ側や直腸周囲などに病変ができると、

排便時の痛み

が起こることがあります。

特に、

「生理中だけ排便すると奥の方が強く痛む」

という症状は重要です。

日本産婦人科医会でも、子宮内膜症では月経痛だけでなく排便痛や性交痛がしばしばみられるとしています。

性交時の痛みも関係する?

子宮内膜症では、

深い部分で感じる性交痛

が起こることがあります。

「以前は痛くなかったのに性交時に奥が痛む」

「生理前後は特に痛い」

などの場合には、婦人科で相談してみましょう。

性交痛は非常に相談しにくい症状ですが、診断につながる重要な情報です。

子宮内膜症と不妊の関係

子宮内膜症は、不妊症の重要な原因の一つです。

日本産科婦人科学会では、子宮内膜症患者さんの半数近くが不妊に悩むとしています。

子宮内膜症によって、

  • 卵管周囲に癒着が起こる

  • 卵巣機能に影響する

  • 骨盤内の環境が変化する

などにより、妊娠しにくくなる場合があります。

また、日本産科婦人科学会は、子宮内膜症を合併している女性では、不妊症の一般的な「1年間待つ」という目安にこだわらず、早めに検査・治療を始めた方がよい場合があるとしています。

チョコレート嚢胞とは?

子宮内膜症が卵巣にできると、

卵巣子宮内膜症性嚢胞

ができることがあります。

一般にはチョコレート嚢胞と呼ばれています。

古い血液が嚢胞内にたまり、チョコレートのような色になることから、この名前がついています。

症状が少ないこともありますが、

  • 生理痛

  • 下腹部痛

  • 性交痛

  • 不妊

などにつながる場合があります。

子宮内膜症は放置すると悪化する?

子宮内膜症はエストロゲンの影響を受けるため、閉経前では月経を繰り返す中で進行する場合があります。

日本産科婦人科学会も、月経を重ねるごとに悪化し、周囲の臓器や組織との癒着によって痛みを起こすことがあると説明しています。

だからといって全員が急速に悪化するわけではありません。

症状・年齢・妊娠希望・病変の場所などをみながら経過を確認します。

婦人科ではどんな検査をする?

問診

まず非常に重要なのが症状です。

  • 生理痛の強さ

  • いつから悪化したか

  • 排便痛

  • 性交痛

  • 生理以外の腹痛

  • 妊娠希望

  • 不妊期間

などを確認します。

超音波検査

経腟超音波検査などで、

  • 卵巣チョコレート嚢胞

  • 子宮筋腫

  • 子宮腺筋症

  • 卵巣腫瘍

などを確認します。

MRI検査

症状や超音波検査の結果によってはMRIを行い、

  • 卵巣病変

  • 深部子宮内膜症

  • 周囲臓器との関係

などを詳しく調べることがあります。

すべての子宮内膜症が画像検査だけで分かるわけではありませんが、卵巣チョコレート嚢胞や深部病変は画像診断が重要です。

子宮内膜症の治療

治療は大きく、

薬物療法+手術療法

に分かれます。

重要なのは、

年齢症状の強さ病変の状態妊娠希望

によって治療方法が変わることです。

痛み止め

痛みが中心の場合には、まず鎮痛薬を使用することがあります。

ただし、

毎月大量の鎮痛薬が必要

という状態であれば、痛み止めだけで我慢し続けるのではなく婦人科で原因を確認することが大切です。

低用量ピル・LEP

子宮内膜症の痛みに対して、

低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬(LEP)

などを使用することがあります。

排卵や月経に伴うホルモン変動を抑えることで、痛みの軽減を目指します。

黄体ホルモン製剤

黄体ホルモン製剤も子宮内膜症治療で広く使用されています。

子宮内膜症病変の活動を抑え、

  • 月経痛

  • 骨盤痛

などの改善を目指します。

GnRHアゴニスト・アンタゴニスト

症状が強い場合には、卵巣からのエストロゲン分泌を強く抑える治療を行うことがあります。

日本産科婦人科学会では、GnRHアゴニスト・アンタゴニストも子宮内膜症の治療選択肢として挙げています。

使用期間や副作用などを考慮して治療します。

手術が必要になることも

例えば、

  • チョコレート嚢胞が大きい

  • 強い痛みが続く

  • 薬物療法で十分改善しない

  • 不妊治療との兼ね合い

  • 悪性腫瘍との鑑別が必要

などの場合には手術を検討します。

妊娠を希望する女性では、できるだけ正常な卵巣組織を残す手術を選択することがあります。

ただし、手術によって卵巣予備能が低下する可能性もあるため、将来の妊娠希望を含めて慎重に判断します。

「手術すれば完全に治る」とは限らない

子宮内膜症は再発する可能性のある病気です。

日本産科婦人科学会も、治療方法にかかわらず将来的に再発する可能性があるため、長期的な経過観察が必要としています。

治療後も定期的に診察を受けることが重要です。

こんな女性は一度婦人科へ

次の症状がある場合には相談してみましょう。

  • 生理痛が以前より強くなった

  • 鎮痛薬が効きにくい

  • 生理で仕事・学校を休む

  • 生理以外にも下腹部が痛い

  • 排便時に奥が痛い

  • 性交時に痛みがある

  • 妊娠を希望しているがなかなか妊娠しない

  • チョコレート嚢胞を指摘された

  • 毎月の生理が怖いほどつらい

特に、年々悪化する生理痛は見逃さないことが大切です。

よくある質問

Q. 生理痛が強いだけで子宮内膜症ですか?

いいえ。

生理痛にはさまざまな原因があります。

ただし、年々痛みが強くなっている場合や、排便痛・性交痛・慢性骨盤痛を伴う場合には子宮内膜症を考えます。

Q. 子宮内膜症でも妊娠できますか?

できます。

ただし子宮内膜症は不妊の原因になる場合があります。

妊娠を希望している場合には、年齢や病変の程度などを考えて早めに婦人科へ相談することをおすすめします。

Q. 子宮内膜症は超音波だけで分かりますか?

チョコレート嚢胞などは超音波で分かることがありますが、すべての子宮内膜症が超音波だけで診断できるわけではありません。

必要に応じてMRIなどを追加します。

Q. 生理を止める治療は身体に悪くありませんか?

子宮内膜症では、症状を抑える目的でホルモン療法を行うことがあります。

治療薬によって作用や副作用が異なるため、自分の年齢・持病・妊娠希望などに合わせて医師と治療方法を選択します。

まとめ|「生理痛だから普通」と我慢しないで

子宮内膜症は、20〜40代の女性で特に注意したい婦人科疾患です。

代表的な症状は、

強い月経痛下腹部痛・腰痛排便痛性交痛不妊

です。

中でも、

「生理痛が年々強くなっている」

という変化は重要です。

子宮内膜症には、

  • 鎮痛薬

  • 低用量ピル・LEP

  • 黄体ホルモン製剤

  • GnRH関連薬

  • 手術

など複数の治療選択肢があります。

毎月つらい生理痛を「女性だから仕方ない」と我慢する必要はありません。

特に将来妊娠を希望している女性では、子宮内膜症の早期発見がその後の治療方針を考えるうえでも重要です。

気になる症状がある場合には、一度婦人科へご相談ください。

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