夜中に何度もトイレに起きるのは「膀胱に尿をためられない」ことが原因かもしれません

「夜中に何度もトイレに起きてしまう」
「以前より少ない尿量でもトイレに行きたくなる」
「夜ぐっすり眠れず、朝起きても疲れが残っている」
このような症状でお困りではありませんか?
夜間に排尿のため何度も目が覚めてしまう夜間頻尿には、さまざまな原因があります。
その中の一つが、膀胱に十分な量の尿をためておくことができない「膀胱蓄尿障害」です。
今回は、夜間頻尿と膀胱蓄尿障害の関係について、泌尿器科の立場から分かりやすく解説します。
膀胱は「尿をためる」ための臓器です
腎臓で作られた尿は尿管を通って膀胱に運ばれ、一時的に膀胱の中に蓄えられます。
通常であれば、ある程度の量の尿をためてから尿意を感じ、トイレで排尿します。
ところが、膀胱が過敏になっていたり、膀胱に十分な尿をためることができなくなっていたりすると、まだ尿量が少ない段階から尿意を感じるようになります。
その結果、
トイレに行く回数が増える
1回の排尿量が少なくなる
急に強い尿意を感じる
夜中にも何度もトイレに起きる
といった症状が現れることがあります。
日本泌尿器科学会でも、夜間頻尿の原因は大きく「多尿・夜間多尿」「膀胱容量の減少」「睡眠障害」などに分けられ、原因を明らかにすることが重要とされています。
膀胱に尿をためられなくなる主な病気
膀胱蓄尿障害を起こす代表的な病気には、次のようなものがあります。
1.過活動膀胱
過活動膀胱は、十分に尿がたまっていないにもかかわらず、突然強い尿意を感じる「尿意切迫感」を中心とした病気です。
「急にトイレへ行きたくなって我慢するのが難しい」
「昼間も夜もトイレが近い」
「トイレまで間に合わず尿が漏れてしまう」
といった症状がみられることがあります。
過活動膀胱では1回の排尿量が少なくなり、何度もトイレへ行くようになることがあります。
当然、睡眠中にも膀胱が尿を十分ためられなければ、夜間頻尿につながります。
2.間質性膀胱炎・膀胱痛症候群
間質性膀胱炎・膀胱痛症候群でも頻尿や夜間頻尿がみられることがあります。
この病気では、
トイレが近い
尿がたまると膀胱周辺が痛む・不快に感じる
排尿すると痛みや不快感が軽くなる
強い尿意を頻繁に感じる
といった症状がみられることがあります。
単純に「トイレが近いだけ」と考えてしまい、長期間我慢されている方もいらっしゃいます。
膀胱の痛みや違和感を伴う頻尿が続く場合には、一度泌尿器科へご相談ください。
3.前立腺肥大症
男性の場合には、前立腺肥大症も夜間頻尿の重要な原因の一つです。
前立腺は膀胱の出口付近で尿道を取り囲むように存在しています。
前立腺が大きくなって尿道が圧迫されると、
尿の勢いが弱い
尿が出始めるまで時間がかかる
排尿後も尿が残っている感じがする
何度もトイレに行く
夜中にトイレに起きる
などの排尿症状が現れることがあります。
また、前立腺肥大症に伴う排尿障害によって膀胱が過敏になり、過活動膀胱のような症状を合併することもあります。
「年齢のせい」と決めつけないことが大切です
夜中にトイレへ起きるようになると、
「歳だから仕方がない」
と思われる方が非常に多くいらっしゃいます。
確かに加齢に伴って排尿に関する症状は増えていきます。
しかし、夜間頻尿の背景には、
過活動膀胱、前立腺肥大症、間質性膀胱炎・膀胱痛症候群、多尿・夜間多尿、睡眠障害など、治療を検討できる原因が隠れている可能性があります。
大切なのは、単に「夜トイレに行く」という症状だけを見るのではなく、なぜ夜中に尿意が起きているのかを調べることです。
排尿日誌が診断のヒントになることもあります
夜間頻尿の原因を調べるうえで役立つものの一つが排尿日誌です。
例えば、
「何時にトイレへ行ったのか」
「1回にどのくらいの量の尿が出たのか」
「夜間は何回排尿したのか」
などを記録します。
夜間に作られる尿そのものが多いのか、それとも1回にためられる尿量が少ないのかによって、考えられる原因や治療方法は変わってきます。
夜間頻尿は原因に合わせた治療が重要です
夜間頻尿は「トイレの回数を減らす薬を飲めばいい」という単純なものではありません。
膀胱の蓄尿障害が原因なのか、尿量そのものが多いのか、前立腺の問題なのか、睡眠の問題なのかなどを確認したうえで、それぞれに適した治療を考える必要があります。
特に、
「毎晩何度もトイレに起きる」「急な尿意を我慢できない」「尿の勢いが弱くなった」「膀胱に痛みや違和感がある」「以前より明らかにトイレが近くなった」
という方は、一度泌尿器科で原因を調べてみることをおすすめします。
夜間のトイレでお困りの方はご相談ください
夜間頻尿は、睡眠を妨げるだけではなく、日中の眠気や疲労感など、毎日の生活にも影響する症状です。
「夜中にトイレへ行くのは年齢のせいだから」と我慢する必要はありません。
原因を調べることで、治療につながる可能性があります。
夜間頻尿、頻尿、急な尿意、尿漏れ、残尿感、尿の勢いの低下などでお困りの方は、お気軽に泌尿器科へご相談ください。
横浜フロント脳神経外科・泌尿器科神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町1-41THE YOKOHAMA FRONT 3階横浜駅きた西口直結・徒歩3分
監修:小林 良祐横浜フロント脳神経外科
・泌尿器科副院長
・泌尿器科部長日本泌尿器科学会専門医





