子供の停留精巣・移動性精巣(遊走精巣)【泌尿器科】
- 5月6日
- 読了時間: 3分
〜精巣が陰嚢に降りていない・出たり入ったりする状態〜


結論
停留精巣は精巣が陰嚢内に降りていない状態で、将来的な不妊や腫瘍リスクの観点から早期評価・適切な治療が重要です。
一方、移動性精巣は陰嚢と鼠径部を行き来する状態で、経過観察が中心ですが、停留精巣へ移行する例もあり定期的な診察が必要です。
しくみ
・精巣は胎内で形成され、鼠径管(トンネル)を通って陰嚢へ下降
・途中で止まる → 停留精巣
・上下に動く → 移動性精巣
停留精巣とは
生まれた時点で精巣が陰嚢内に触れない状態です。
発生頻度
・新生児:約5%(約20人に1人)
・1歳時:約1%まで自然下降
分類
■ 片側性
・片側のみ陰嚢にない
■ 両側性
・両側とも陰嚢にない より慎重な評価が必要
位置のバリエーション
・鼠径管内
・外鼠径輪付近
・腹腔内(非触知精巣)
非触知精巣とは
診察で触れない精巣
場所・鼠径管の奥・腹腔内
追加検査が必要
移動性精巣(遊走精巣)とは
・陰嚢と鼠径部を行き来する
・小児に多い・筋肉反射(精巣挙筋反射)が関与
一見正常に見えるが注意が必要
放置するとどうなるか
停留精巣
・将来の不妊リスク
・精巣腫瘍リスク上昇
・精巣捻転のリスク
移動性精巣
・停留精巣へ移行する可能性
・成長とともに固定される場合あり
検査
・視診・触診(最重要)
・超音波
・必要に応じてMRI
治療
■ 停留精巣
手術(精巣固定術)が基本
・1歳前後〜2歳までが推奨 早期治療が重要
■ 移動性精巣
基本は経過観察
・定期チェック
・下降しない場合は治療検討
当院の診療方針
当院では
・小児泌尿器専門的視点で評価
・年齢
・状態に応じた最適な治療提案
・ご家族への丁寧な説明
を行い、将来のリスクを見据えた診療を行います。
よくある質問(Q&A)
Q:自然に治りますか?
A:新生児期は自然下降することがありますが、1歳以降は自然改善は少ないです。
Q:手術は必ず必要ですか?
A:停留精巣の場合、原則手術が推奨されます。
Q:移動性精巣は大丈夫ですか?
A:多くは問題ありませんが、停留精巣へ移行する可能性があるため経過観察が重要です。
Q:痛みはありますか?
A:通常はありませんが、捻転などが起きると強い痛みが出ます。
Q:いつ受診すべきですか?
A:・陰嚢に精巣が触れない・左右差がある・位置が安定しない
早めの受診をおすすめします
受診の目安
・1歳を過ぎても精巣が降りていない
・触れたり触れなかったりする
・医師に指摘された
小児泌尿器科または泌尿器科へ
まとめ
停留精巣・移動性精巣は 早期発見・適切な対応で将来リスクを軽減できる疾患です
ご相談・ご予約
お子さまの将来の健康のために、気になる場合は早めにご相談ください。

監修者情報
小林 良祐(こばやし りょうすけ)
横浜フロント脳神経外科・泌尿器科副院長
泌尿器科部長日本泌尿器科学会専門医
経歴弘前大学医学部卒業
横浜市立大学附属病院
茅ヶ崎市立病院
小田原市立病院
平塚共済病院
さがみ林間病院
横浜フロント脳神経外科・泌尿器科 副院長・泌尿器科部長
保有資格・所属学会日本泌尿器科学会
専門医日本泌尿器内視鏡
ロボティクス学会
腹腔鏡技術認定医日本がん治療認定医機構
がん治療認定医緩和ケア研修会
修了ボトックス講習
実技セミナー 修了





