おしっこからわかる「塩分のとりすぎ」
- 6月3日
- 読了時間: 5分
血圧が気になる方へ ― おしっこでわかる塩分バランスとカリウムの重要性

「減塩してください」と言われても実際どれくらい塩分を取っているかわかりますか?
高血圧と診断されたとき、多くの方が医師から言われるのが
「塩分を控えましょう」という言葉です。
しかし実際には、
今日何グラム塩分を取ったのか
自分は本当に塩分過多なのか
減塩できているのか
を把握している方はほとんどいません。
実は近年、高血圧の管理で注目されているのが
「尿ナトリウム/カリウム比(尿Na/K比)」という指標です。
おしっこを調べるだけで、
塩分摂取量の目安
カリウム摂取量の目安
血圧上昇リスク
を推定することができます。
なぜ塩分を取ると血圧が上がるのか?
塩分の主成分はナトリウムです。
ナトリウムを過剰に摂取すると、
体内に水分をため込みます。
すると、
血液量が増える
血管への圧力が高まる
血圧が上昇する
という流れになります。
高血圧が続くと、
脳梗塞
脳出血
心筋梗塞
心不全
腎臓病
のリスクが高まります。
実は「カリウム不足」も血圧を上げる
最近の研究では、
高血圧は
「塩分のとりすぎ」だけではなく「カリウム不足」も大きな原因
であることがわかっています。
カリウムには余分なナトリウムを尿中へ排出する働きがあります。
つまり、
ナトリウムを出してくれる天然の減塩サポーターなのです。
おしっこを見ると食生活がわかる
ナトリウムは摂取量の約90%
カリウムは摂取量の70~80%
が尿中へ排出されます。
そのため尿検査を行うことで
ナトリウム摂取量
カリウム摂取量
食生活のバランス
を推定できます。
尿ナトリウム/カリウム比とは?
尿中の
ナトリウム量
カリウム量
の比率を表したものです。
数字が高い人
塩分が多い
カリウムが少ない
↓
血圧が高くなりやすい
数字が低い人
塩分が少ない
カリウムが十分
↓
血圧管理が良好
日本高血圧学会の目標値
日本高血圧学会では
尿Na/K比
2未満
を健常者の理想値としています。
しかし実際には
日本人の多くが
3~5以上
になっているといわれています。
日本人はどれくらい塩分を取っている?
2025年版 日本人の食事摂取基準では
食塩摂取目標
男性
7.5g未満
女性
6.5g未満
となっています。
さらに
WHO推奨
5g未満
日本高血圧学会
6g未満
を推奨しています。
しかし現実は…
多くの日本人は
1日10g以上
摂取しています。
つまり、
知らないうちに
推奨量の約2倍近い塩分
を取っている方も少なくありません。
なぜ日本人は塩分が多いのか?
原因は日本食にあります。
高塩分食品
味噌汁
漬物
醤油
ラーメン
干物
加工食品
コンビニ弁当
これらは非常に塩分が高い食品です。
カリウムを増やすと血圧が下がりやすい
WHOでは
高血圧予防のため
カリウム3510mg/日
を推奨しています。
カリウムは
体内の余分なナトリウムを
尿として排出します。
まさに
「おしっこで塩分を出す天然の降圧薬」と言える存在です。
カリウムが豊富な食品

代表的な食品は
野菜
ほうれん草
小松菜
トマト
ブロッコリー
果物
バナナ
キウイ
アボカド
メロン
イモ類
さつまいも
じゃがいも
豆類
納豆
大豆
海藻類
わかめ
昆布
味噌汁は悪者ではない
「味噌汁は塩分が高いからダメ」
と思われがちです。
しかし、具だくさん味噌汁であれば話は別です。
例えば
わかめ
ほうれん草
小松菜
大根
きのこ
豆腐
をたっぷり入れると
カリウムが補われ
ナトリウムとのバランスが改善します。
今日からできる「おしっこで塩分を出す習慣」
朝に果物を1品追加
バナナやキウイがおすすめ
毎食野菜を追加
サラダ・温野菜を意識
納豆を活用
カリウムと食物繊維を同時摂取
具だくさん味噌汁
野菜をたっぷり入れる
加工食品を減らす
塩分摂取を大幅に減らせます
注意:腎臓病の方はカリウムの取り過ぎに注意
カリウムは体に良い栄養素ですが、
慢性腎臓病
透析中
糖尿病性腎症
などの方は
高カリウム血症を起こす場合があります。
自己判断で大量摂取せず、
主治医に相談しましょう。
まとめ
高血圧対策は
「塩分を減らす」だけでは不十分です。
本当に重要なのは
塩分(ナトリウム)とカリウムのバランス
です。
尿ナトリウム/カリウム比は、
そのバランスを見える化できる非常に優れた指標です。
塩分を控える
野菜や果物を増やす
カリウムをしっかり取る
尿Na/K比を意識する
これらを実践することで、
脳梗塞や心筋梗塞の原因となる高血圧の予防につながります。
「減塩」だけではなく、「カリウムを増やしておしっこで塩分を出す
という発想が、これからの高血圧対策の新常識です。

略歴
弘前大学医学部 卒業
横浜市立大学附属病院
茅ヶ崎市立病院
小田原市立病院
平塚共済病院
さがみ林間病院
横浜フロント脳神経外科・泌尿器科 副院長・泌尿器科部長
所属・資格
日本泌尿器科学会 専門医
日本泌尿器内視鏡・ロボティクス学会 腹腔鏡技術認定医
日本がん治療認定医機構 がん治療認定医
緩和ケア研修会 修了
ボトックス講習・実技セミナー 修了
専門分野
前立腺肥大症
過活動膀胱
尿失禁
血尿精査
前立腺がん
膀胱がん
腎がん
尿路結石
男性更年期障害
ボツリヌス治療
患者様が安心して相談できる環境づくりを大切にし、専門的な知識と豊富な
経験を活かした診療を提供いたします。






