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女性に多い骨粗しょう症とは?骨密度・YAM・症状・予防・治療を解説

8月20日
読了時間: 10分
女性に多い骨粗しょう症について、骨密度・YAM値・症状・予防・治療を整形外科医が解説するイメージ。骨密度検査や健康な骨と骨粗しょう症の骨の比較を掲載。

「最近、身長が低くなった気がする」

「ちょっと転んだだけなのに骨折した」

「閉経してから骨密度が心配」

このようなお悩みはありませんか?

骨粗しょう症は、骨の強度が低下して骨折しやすくなる病気です。

特に女性は、閉経によって女性ホルモンが減少すると骨量が低下しやすくなるため、男性に比べて骨粗しょう症になりやすいことが知られています。日本整形外科学会も、骨粗しょう症は特に閉経後の女性に多く、女性ホルモンの減少や加齢と深く関係するとしています。

怖いのは、骨粗しょう症そのものには自覚症状がほとんどなく、「骨折して初めて気づく」ケースがあることです。

今回は、

  • 骨粗しょう症とはどんな病気なのか

  • なぜ女性に多いのか

  • 骨密度検査とは

  • YAMとは何か

  • 骨粗しょう症になりやすい人

  • 食事・運動による予防

  • 骨粗しょう症の薬物治療

  • 何歳くらいから検査を受けた方がよいのか

について、整形外科の視点からわかりやすく解説します。

骨粗しょう症とは?

骨粗しょう症とは、骨の量や骨の質が低下し、骨折しやすくなった状態です。

骨は一度できたら終わりではありません。

私たちの身体の中では、

古くなった骨を壊す「骨吸収」

と

新しい骨を作る「骨形成」

が繰り返されています。

このバランスが崩れて骨量が減少すると、骨が弱くなり、わずかな衝撃でも骨折しやすくなります。

つまり骨粗しょう症で大切なのは、

「今、痛いかどうか」ではなく、「将来骨折する危険性が高くなっていないか」

という視点です。

骨粗しょう症はなぜ女性に多い?

骨粗しょう症を考えるうえで非常に重要なのが閉経です。

女性の骨を守る働きをしているものの一つが、女性ホルモンであるエストロゲンです。

閉経に伴ってエストロゲンが減少すると骨量も低下しやすくなります。そのため、40~50代以降の女性では、それまで以上に骨の健康を意識することが大切になります。

骨粗鬆症財団では、40~50代について、閉経前後から骨密度の低下が進むため、定期的に骨量を確認し、早期発見・早期治療につなげることを勧めています。

骨粗しょう症の怖さは「骨折」にある

骨粗しょう症自体では痛みがないことも少なくありません。

問題となるのは、骨が弱くなった結果として起こる脆弱性骨折です。

特に注意したいのが、

① 背骨の骨折(椎体骨折)

いわゆる「圧迫骨折」と呼ばれることがあります。

強い転倒をしていなくても骨折することがあり、

  • 背中や腰が痛い

  • 身長が低くなった

  • 背中が丸くなった

といった症状から発見される場合があります。

② 太ももの付け根の骨折(大腿骨近位部骨折)

高齢者では特に注意が必要な骨折です。

骨折後に歩行能力が低下すると、その後の生活にも大きく影響します。厚生労働省も、高齢期の骨折は要介護につながる重要な要因であり、健康寿命の観点から骨折予防が重要だとしています。

③ 手首の骨折

転倒して手をついた際に起こりやすい骨折です。

④ 肩周辺の骨折

転倒した際などに上腕骨の付け根を骨折することがあります。

そして重要なのは、一度骨折した方は、その後の骨折予防を考える必要があるということです。

「治ったから終わり」ではなく、その背景に骨粗しょう症がないかを確認することが大切です。

自分では気づきにくい「いつのまにか骨折」

骨粗しょう症の特徴の一つが、

「痛くないから大丈夫」とは限らない

ことです。

特に背骨では、自覚するほどの大きな外傷がなくても椎体骨折が起こっている場合があります。

例えば、

  • 若い頃より身長が2~3cm以上低くなった

  • 背中が丸くなってきた

  • 最近、姿勢が変わった

  • 腰痛や背部痛が続いている

といった変化がある場合には、一度整形外科で相談することをおすすめします。骨粗鬆症財団も、身長低下や腰・背中の痛みがある場合の受診を勧めています。

骨粗しょう症になりやすい人

骨粗しょう症は加齢だけで起こるわけではありません。

特に注意したいのは、

  • 閉経後の女性

  • 高齢の方

  • やせ型の方

  • 過度なダイエットをしている方

  • 運動習慣が少ない方

  • 喫煙する方

  • 飲酒量が多い方

  • 過去に骨折したことがある方

  • 家族に骨粗しょう症や大腿骨骨折歴がある方

などです。骨粗鬆症財団も、低体重、運動不足、喫煙、過度の飲酒などを骨の健康に関わる要因として挙げています。

また、他の病気や薬が原因となる続発性骨粗しょう症にも注意が必要です。

例えば、ステロイド薬の使用などでは骨折リスクを考慮した管理が必要になります。

骨粗しょう症の検査「骨密度検査」とは?

骨粗しょう症の診断で重要なのが骨密度測定です。

代表的な検査方法が、

DXA(デキサ)法/二重X線吸収法

です。

骨密度を測定し、「若い成人の平均的な骨密度」と比較することで現在の骨の状態を評価します。

骨粗鬆症財団では、DXA法による骨量測定を用いた評価を案内しています。

骨密度検査でよく見る「YAM」とは?

骨密度検査を受けると、

YAM 〇〇%

という数字を見ることがあります。

YAMとは、

Young Adult Mean(若年成人平均値)

のことで、若い成人の平均的な骨密度と比較して、自分の骨密度がどの程度あるのかを示した数字です。

例えば、

YAM 85%

であれば、若年成人平均の約85%の骨密度があるという意味です。

日本で用いられる診断では、YAM70%未満は骨粗しょう症を判断する重要な基準の一つです。

ただし、骨粗しょう症の診断は骨密度の数字だけで決めるものではありません。

過去の脆弱性骨折の有無、年齢、病歴、服用薬などを含めて総合的に判断します。

何歳から骨密度検査を受ければいい?

「まだ50歳だから大丈夫」

と思っている女性も少なくありません。

しかし、女性では閉経前後から骨量が低下しやすくなるため、40~50代から自分の骨密度を把握しておくことには意味があります。

特に、

  • 閉経した

  • 50歳以上

  • 身長が低くなった

  • 軽い転倒で骨折した

  • 母親が骨粗しょう症

  • やせ型

  • ステロイド薬を使用している

といった方は、一度骨密度検査について医師へ相談してみてもよいでしょう。

骨粗しょう症を予防する3つのポイント

骨粗しょう症対策では、

①食事②運動③必要に応じた薬物治療

が重要です。

① 食事|カルシウムだけ摂ればいいわけではありません

「骨=カルシウム」

というイメージがありますが、骨を健康に保つためにはカルシウムだけでは不十分です。

特に意識したいのが、

カルシウム

牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、大豆製品、緑黄色野菜など。

ビタミンD

魚類やきのこ類など。

ビタミンDはカルシウムの吸収にも関係します。

ビタミンK

納豆や緑黄色野菜などに多く含まれます。

たんぱく質

肉・魚・卵・大豆製品などからバランスよく摂取しましょう。

骨粗鬆症財団も、カルシウムやビタミンDを含め、たんぱく質・脂質・ミネラル・ビタミン類をバランスよく摂取することが重要としています。

ただし、

「カルシウムを摂れば骨粗しょう症が治る」というものではありません。

すでに骨粗しょう症と診断されている場合には、食事だけでなく医療機関で適切な治療を受けることが大切です。

② 運動|骨と筋肉の両方を守る

骨を守るには運動も重要です。

おすすめされるのは、

  • ウォーキング

  • 下肢筋力トレーニング

  • バランス運動

  • 無理のない体操

などです。

厚生労働省も、骨粗しょう症予防として、ウォーキングや筋力トレーニングなど骨に刺激が加わる運動を推奨しています。

筋力やバランス能力が維持されれば、骨を強くするだけでなく転倒予防にもつながります。

ただし、すでに骨粗しょう症や圧迫骨折、強い腰痛・膝痛などがある方は、自己流で激しい運動を始めず、医師やリハビリスタッフに相談してください。

③ 転倒しにくい生活環境を作る

骨折予防では、骨密度を改善するだけでなく、

「転ばない」

ことも非常に重要です。

家庭では、

  • 床の段差を減らす

  • 電気コードなどを整理する

  • 夜間の廊下やトイレを明るくする

  • 滑りやすいマットを避ける

  • サイズの合った靴を履く

  • 必要に応じて杖などを利用する

といった工夫も有効です。

高齢者では骨折が要介護につながる重要な要因となっているため、骨の治療と同時に転倒予防を考えることが大切です。

骨粗しょう症の薬物治療

骨粗しょう症と診断された場合、骨折リスクに応じて薬物治療を検討します。

現在は内服薬だけでなく、注射や点滴など複数の選択肢があります。

大きく分けると、

骨吸収を抑える薬

骨が壊される働きを抑えます。

ビスホスホネート薬や抗RANKL抗体薬などがあります。

骨形成を促進する薬

新しい骨を作る働きを高める治療です。

骨吸収抑制と骨形成促進の両方に作用する薬

抗スクレロスチン抗体薬など、両方の作用を持つ薬もあります。

骨粗鬆症財団では、骨粗しょう症治療薬を「骨吸収抑制」「骨形成促進」「骨代謝調整」などに分類して紹介しています。

どの薬を選択するかは、

  • 年齢

  • 骨密度

  • 骨折歴

  • 骨折リスク

  • 他の病気

  • 服用中の薬

  • 通院頻度

  • ライフスタイル

などによって異なります。

骨粗しょう症の薬は自己判断でやめないことが大切

骨粗しょう症は、

「痛くなくなったから治った」

とは限りません。

薬による治療の目的は、単に骨密度の数字を上げることではなく、将来の骨折を防ぐことです。

骨粗鬆症財団も、骨折予防のためには治療薬を正しい方法で継続して使用することが重要だとしています。

副作用が心配な場合も、自己判断で中止せず主治医に相談しましょう。

女性は「閉経したら骨を意識する」ことが大切

骨粗しょう症は、ある日突然始まる病気ではありません。

骨量は長い時間をかけて変化します。

特に女性は、

閉経 → 女性ホルモン減少 → 骨量低下 → 骨粗しょう症 → 転倒 → 骨折

という流れをできるだけ早い段階で止めることが重要です。閉経後の女性では骨密度低下が進みやすいため、骨量を把握し、生活習慣を見直すことが推奨されています。

骨折してから初めて治療を始めるのではなく、

「まだ元気だからこそ骨を調べる」

という考え方が大切です。

こんな方は一度、整形外科にご相談ください

次のような方は、骨密度検査を含め、一度骨の状態を確認することをおすすめします。

  • 閉経後の女性

  • 50歳以上で骨密度を測ったことがない

  • 身長が以前より低くなった

  • 背中が丸くなった

  • 腰や背中が痛む

  • 軽く転んだだけで骨折した

  • 過去に手首・背骨・大腿骨などを骨折した

  • やせ型である

  • 家族に骨粗しょう症の方がいる

  • ステロイド薬を長期間使用している

  • 自分の骨密度が気になる

骨粗しょう症は自覚症状が出にくいため、骨折する前に発見することが重要な病気です。

よくある質問

Q. 骨粗しょう症になると痛みがありますか?

骨粗しょう症そのものでは、痛みがないことが一般的です。

しかし、骨が弱くなって背骨などを骨折すると、腰痛・背部痛などが生じる場合があります。

Q. 骨密度が70%を下回ったら骨粗しょう症ですか?

YAM70%未満は、日本で骨粗しょう症を判断する重要な基準の一つです。

ただし、実際の診断では骨折歴なども含めて総合的に判断します。

Q. 骨粗しょう症は治りますか?

骨密度や骨折リスクの状態に応じて、食事・運動・薬物治療などを組み合わせ、将来の骨折リスクを下げることを目指します。

現在は内服、注射、点滴など治療の選択肢があります。

Q. カルシウムを飲めば骨粗しょう症は予防できますか?

カルシウムは重要ですが、それだけではありません。

ビタミンD、たんぱく質などを含めたバランスのよい食事と、運動、適切な体重維持、禁煙、過度な飲酒を避けることなどが重要です。

Q. 骨密度検査は何歳から受ければいいですか?

特に女性では閉経前後から骨量が低下しやすいため、40~50代から自分の骨密度を把握しておくことが骨粗しょう症の早期発見につながります。

骨折歴やステロイド使用などリスクがある場合は、年齢に関係なく医師に相談してください。

まとめ|骨粗しょう症は「骨折する前」の対策が重要です

骨粗しょう症で最も大切なのは、

「痛くなってから治療する病気ではない」

ということです。

骨粗しょう症そのものには自覚症状がほとんどなくても、骨折すると歩行能力や日常生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。

特に閉経後の女性は骨量が低下しやすいため、

食事・運動・転倒予防・骨密度検査

を意識しましょう。

「自分の骨密度が分からない」

「最近、身長が低くなった」

「以前、軽い転倒で骨折した」

「閉経後なので骨粗しょう症が心配」

という方は、ぜひ一度整形外科へご相談ください。

骨折してからではなく、骨折する前から骨を守ることが、将来の健康寿命を守ることにつながります。

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