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生理の量が多い・お腹が張る…それ、子宮筋腫かも?症状・原因・貧血・治療を婦人科が解説

9月25日
読了時間: 9分
生理の量が多いことや下腹部の張りに悩む40代・50代女性と、子宮筋腫の症状・原因・貧血・治療を紹介する婦人科ブログのサムネイル画像。

「最近、生理の量が増えた気がする」

「夜用ナプキンを使っても漏れてしまう」

「生理中に大きな血の塊が出る」

「下腹部がぽっこりして、お腹が張る」

「健康診断で貧血を指摘された」

このような症状はありませんか?

月経量の増加や下腹部の張りは、単なる体調の変化ではなく、**子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)**が関係している可能性があります。

子宮筋腫は、子宮の筋肉から発生する良性の腫瘍です。症状がないまま経過する方もいますが、筋腫の大きさやできる場所によっては、過多月経、月経痛、鉄欠乏性貧血、頻尿、不妊などにつながることがあります。

特に40代・50代では、月経の変化を「更年期だから仕方ない」と考えてしまうこともあるでしょう。

しかし、出血量が増えている場合や貧血症状がある場合には、婦人科で原因を確認することが大切です。

今回は、子宮筋腫の症状・原因・種類・検査・治療について、妊娠への影響や閉経後の注意点も含めて解説します。


子宮筋腫とは?

子宮筋腫は、子宮の壁を構成する平滑筋という筋肉の細胞から発生する良性腫瘍です。

基本的にはがんとは異なる病気で、筋腫が見つかったからといって、必ず手術が必要になるわけではありません。

子宮筋腫は女性ホルモンの影響を受けて成長することがあり、閉経後には小さくなる傾向があります。

ただし、症状の有無や程度は筋腫の大きさだけでは決まりません。

小さな筋腫でも、できる場所によっては強い過多月経を引き起こすことがあります。

一方、大きな筋腫があっても、ほとんど症状を感じない方もいます。

治療方針は、筋腫の大きさ・位置・数、症状、妊娠希望などを総合的に考えて決定します。



子宮筋腫には3つの代表的な種類がある

子宮筋腫は、発生する場所によって主に3種類に分けられます。

① 粘膜下筋腫(ねんまくかきんしゅ)

子宮の内側に向かって発育する筋腫です。比較的小さくても過多月経や不正出血の原因になることがあります。

② 筋層内筋腫(きんそうないきんしゅ)

子宮の筋肉の中にできる筋腫です。大きくなると子宮の形が変化し、月経量の増加や圧迫症状につながることがあります。

③ 漿膜下筋腫(しょうまくかきんしゅ)

子宮の外側に向かって発育する筋腫です。大きくなると膀胱や腸などを圧迫することがあります。


子宮筋腫の代表的な症状

子宮筋腫では、次のような症状が現れることがあります。

症状

具体的な変化

過多月経

生理の出血量が増える

月経困難症

生理痛が強くなる

不正出血

生理以外の時期に出血する

貧血

疲れ・動悸・息切れ

下腹部の張り

お腹がぽっこりする

頻尿

トイレが近くなる

便秘

腸が圧迫される

不妊

筋腫の位置などによって妊娠に影響する場合がある

ただし、これらの症状は子宮筋腫だけに特有のものではありません。

子宮腺筋症、子宮内膜ポリープ、子宮内膜症などでも似た症状がみられます。


生理の量が多いのは子宮筋腫のサイン?

子宮筋腫で特に注意したい症状が過多月経です。

過多月経とは、月経の出血量が多く、日常生活に支障をきたしている状態を指します。

例えば、次のような変化がある場合には注意しましょう。

  • ナプキンを頻繁に交換する必要がある

  • 夜用ナプキンでも漏れる

  • 大きな血の塊が繰り返し出る

  • 月経が長く続く

  • 出血が気になって外出しにくい

  • 生理中に強い疲労感やふらつきがある

月経量には個人差がありますが、以前と比べて明らかに増えている場合には、婦人科で相談することが大切です。

過多月経の診療では、出血量だけでなく、本人の日常生活への影響も重視されています。


子宮筋腫と鉄欠乏性貧血の関係

子宮筋腫による過多月経が続くと、毎月の出血によって体内の鉄が失われます。

その結果、鉄欠乏性貧血につながることがあります。


子宮筋腫から貧血が起こる流れ

子宮筋腫

月経量の増加・過多月経

体内の鉄が不足する

鉄欠乏性貧血

疲労・めまい・動悸・息切れ

「最近疲れやすい」

「階段を上るだけで息切れする」

「立ち上がるとふらつく」

といった症状がある場合には、貧血が隠れている可能性があります。

治療では鉄剤による鉄の補充だけでなく、出血の原因となっている子宮筋腫への対応も重要です。


なぜ子宮筋腫ができるの?

子宮筋腫が発生する詳しい仕組みは、まだ完全には解明されていません。

ただし、女性ホルモンであるエストロゲンやプロゲステロンが、筋腫の成長に関係していることが知られています。

また、遺伝的な要因なども関係すると考えられています。

そのため、子宮筋腫は単に生活習慣が悪いからできる病気ではありません。

食事や運動だけで、すでにできた子宮筋腫を確実に消失させる方法も確立されていません。


40代・50代の生理の変化は更年期?子宮筋腫?

40代・50代になると、女性ホルモンの変動によって月経周期や出血量が変化することがあります。

しかし、月経の変化をすべて更年期の影響と考えるのは適切ではありません。

特に、

  • 急に月経量が増えた

  • 不正出血が続く

  • 貧血を指摘された

  • 下腹部が張る

  • 生理痛が以前より強くなった

といった場合には、子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜の病気などを確認する必要があります。

持続する不正出血などがある場合には、必要に応じて子宮内膜の評価も検討されます。


子宮筋腫は不妊の原因になる?

子宮筋腫があるからといって、必ず妊娠しにくくなるわけではありません。

妊娠への影響は、筋腫の位置や大きさ、子宮内腔の変形の有無などによって異なります。

特に子宮の内側に発育する粘膜下筋腫や、子宮内腔を変形させる筋腫では、妊娠に影響する場合があります。

妊娠を希望している方では、子宮を温存する治療について相談することが重要です。

子宮筋腫の治療では、妊娠希望の有無によって選択肢が変わります。



子宮筋腫はどうやって検査する?

① 問診・婦人科診察

月経周期、出血量、月経痛、不正出血、妊娠希望などを確認します。

② 超音波検査(エコー)

子宮筋腫の診断で重要な検査です。

筋腫の大きさ、数、位置などを調べます。

③ MRI検査

筋腫の位置や数を詳しく調べる必要がある場合や、手術などを検討する場合に行うことがあります。

④ 血液検査

過多月経がある場合には、ヘモグロビンなどを確認し、貧血の有無を調べます。

必要に応じてフェリチンなどの鉄関連検査を追加することがあります。

検査方法は症状や診察所見によって選択され、すべての方にMRIが必要というわけではありません。

NICE

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子宮筋腫の治療方法

子宮筋腫が見つかっても、必ず治療が必要になるわけではありません。

治療は、症状の程度、筋腫の大きさや位置、年齢、妊娠希望などを考慮して決定します。


① 経過観察

症状がなく、筋腫が大きくない場合には、定期的な診察や超音波検査で経過をみることがあります。

無症状で巨大ではない子宮筋腫については、日本産科婦人科学会の診療ガイドラインでも経過観察が示されています。


② 薬物療法

過多月経や月経痛などの症状を改善するため、薬物療法を行うことがあります。

主な選択肢には、次のようなものがあります。

治療

主な目的

鉄剤

鉄欠乏性貧血の改善

鎮痛薬

月経痛の軽減

トラネキサム酸

月経出血量の軽減

ホルモン療法

月経量や症状の調整

GnRH製剤

女性ホルモンの働きを抑え、筋腫の縮小や症状改善を図る

薬の種類によって適応や使用期間、副作用が異なります。

特にGnRH製剤では、更年期に似た症状や骨密度への影響などに注意が必要です。

薬物療法は症状を抑えることが目的となる場合があり、筋腫を完全に取り除く治療とは異なります。


③ 子宮筋腫核出術

子宮を残し、筋腫を取り除く手術です。

将来妊娠を希望する方などで検討されます。

筋腫の位置や大きさによって、子宮鏡下手術、腹腔鏡下手術、開腹手術などの方法があります。

ただし、筋腫を取り除いても、新たな筋腫ができたり再発したりする可能性があります。


④ 子宮全摘術

子宮そのものを摘出する手術です。

症状が強い場合や、妊娠希望がない場合などに検討されます。

子宮筋腫による症状を根本的に解決する選択肢ですが、手術後は妊娠できなくなるため、十分な説明と本人の意思確認が重要です。

⑤ 子宮動脈塞栓術(UAE)

子宮筋腫に血液を送る血管を塞ぎ、筋腫への血流を減らす治療です。

手術以外の選択肢として検討される場合がありますが、妊娠への影響や再治療の可能性などについて、事前に専門医と相談する必要があります。


閉経したら子宮筋腫は自然に治る?

子宮筋腫は女性ホルモンの影響を受けるため、閉経後には小さくなる傾向があります。

ただし、すべての筋腫が完全になくなるわけではありません。

また、閉経後に出血がみられる場合には、子宮筋腫だけでなく、子宮内膜の病気などを確認する必要があります。

閉経後の性器出血は、少量であっても婦人科で相談しましょう。


こんな症状があれば婦人科へ

次のような場合には、婦人科への受診をおすすめします。

  • 月経量が以前より明らかに増えた

  • 大きな血の塊が繰り返し出る

  • 月経痛が強くなった

  • 生理以外の時期に出血する

  • 貧血を指摘された

  • 下腹部の張りが続く

  • 頻尿や便秘が気になる

  • 妊娠を希望しているが、子宮筋腫を指摘されている

特に、出血が非常に多く、失神しそうになる、強い息切れや動悸がある場合には、速やかな医療機関での評価が必要です。


よくある質問

Q. 子宮筋腫はがんになりますか?

子宮筋腫は良性腫瘍であり、一般的に子宮筋腫がそのままがんに変化するわけではありません。ただし、画像検査などで別の腫瘍との区別が必要になる場合があります。


Q. 子宮筋腫があっても妊娠できますか?

妊娠できる方も多くいます。ただし、筋腫の位置や大きさによっては妊娠に影響することがあります。妊娠希望がある場合には婦人科で相談しましょう。


Q. 子宮筋腫は手術しないと治りませんか?

無症状で大きくない場合には、経過観察が選択されることがあります。症状がある場合も、薬物療法などを含めて治療を検討します。


Q. 生理の量が多いだけでも受診したほうがいいですか?

はい。過多月経の背景には子宮筋腫や子宮腺筋症などが隠れている場合があります。生活に支障がある場合や貧血症状がある場合には、婦人科で相談しましょう。


Q. 子宮筋腫があるとお腹が出ますか?

大きな筋腫では子宮が腫大し、下腹部の膨らみを感じる場合があります。ただし、お腹の張りには消化器疾患など別の原因もあります。


まとめ|生理の量が増えたら、子宮筋腫の可能性も

子宮筋腫は、女性にとって身近な婦人科疾患の一つです。

症状がないまま経過する方もいますが、過多月経や月経痛、下腹部の張り、頻尿、鉄欠乏性貧血などの原因になることがあります。

特に40代・50代では、月経の変化を更年期の影響と考えてしまうこともあります。

しかし、月経量の増加や貧血を「年齢のせい」と決めつけず、原因を確認することが大切です。

子宮筋腫の治療には、経過観察、薬物療法、手術、子宮動脈塞栓術などの選択肢があります。

症状や妊娠希望に合わせて、婦人科で適切な治療方針を相談しましょう。

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