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女性に多い膀胱炎とは?症状・原因・繰り返す理由・予防法を泌尿器科が解説

8月25日
読了時間: 10分
女性に多い膀胱炎について、排尿痛・頻尿・残尿感・血尿などの症状や原因、性行為後に繰り返す理由、妊娠・更年期との関係、腎盂腎炎の危険サイン、予防法や泌尿器科を受診する目安をわかりやすく解説します。

「トイレに行ったばかりなのに、また行きたくなる」

「おしっこの最後にツーンと痛む」

「膀胱炎を何度も繰り返している」

こんな経験はありませんか?

膀胱炎は、女性に非常によくみられる尿路の病気です。

特に、

  • 排尿すると痛い

  • 尿が近い

  • 残尿感がある

  • 尿が濁る

  • 尿に血が混じる

といった症状が突然現れることがあります。

日本泌尿器科学会でも、急性膀胱炎は女性に多く、頻尿・血尿・排尿時痛が特徴的な症状とされています。

また女性の場合、

性行為のあとに繰り返す妊娠中に起こる閉経後になって増えてきた

など、女性のライフステージと関連して膀胱炎を経験する場合もあります。

この記事では、女性に多い膀胱炎について、

  • なぜ女性は膀胱炎になりやすいのか

  • 初期症状

  • 性行為との関係

  • 妊娠中の膀胱炎

  • 更年期・閉経後の膀胱炎

  • 繰り返す原因

  • 腎盂腎炎との違い

  • 泌尿器科を受診すべきタイミング

まで、わかりやすく解説します。

そもそも膀胱炎とは?

膀胱炎とは、文字通り膀胱に炎症が起こった状態です。

一般的な急性膀胱炎では、尿道から細菌が入り込み、膀胱内で増殖することで炎症が起こります。

原因菌としては、腸内に存在する細菌が関係することが多くあります。

つまり、

「身体が不潔だから膀胱炎になった」

という単純な話ではありません。

健康な女性でも起こることがあります。

なぜ膀胱炎は女性に多いの?

大きな理由の一つが、女性の身体の構造です。

女性は男性と比較して尿道が短く、尿道口周辺には腟や肛門があります。

そのため、腸内細菌などが尿道から膀胱へ侵入しやすく、男性より尿路感染症を起こしやすいとされています。

これは身体の構造上の特徴なので、

「自分の生活が悪いから膀胱炎になった」

と必要以上に考えることはありません。

女性の膀胱炎で多い5つの症状

① おしっこをすると痛い

膀胱炎の代表的な症状です。

特に、

排尿の終わりごろにツーンと痛む

という症状がよくみられます。

日本泌尿器科学会では、急性膀胱炎では排尿終末時に尿道の不快な痛みを感じるケースが多いと説明しています。

② トイレが近くなる

「さっき行ったばかりなのに、また行きたい」

という頻尿も代表的です。

一般的には日中8回以上が頻尿の一つの目安とされていますが、回数には個人差があります。

普段より明らかにトイレが近くなった場合も重要です。

③ 残尿感がある

排尿したにもかかわらず、

「まだ残っている感じがする」

という症状です。

実際に膀胱の中に尿が大量に残っているとは限らず、膀胱炎による炎症によって残尿感を感じることもあります。

④ 尿が濁る・においが気になる

炎症が起こると、尿に白血球や細菌などが増え、尿が濁って見える場合があります。

ただし、尿のにおいだけで膀胱炎と判断することはできません。

症状と尿検査を組み合わせて判断します。

⑤ 血尿が出る

膀胱炎でも血尿が出ることがあります。

「おしっこがピンク色」

「トイレットペーパーに血がついた」

という場合には、驚く方も多いでしょう。

ただし、血尿の原因は膀胱炎だけではありません。

尿路結石、腎臓の病気、膀胱腫瘍などでも血尿が起こるため、目で見て分かる血尿が出た場合は一度泌尿器科で確認することが重要です。

性行為のあとに膀胱炎になるのはなぜ?

女性から非常によく聞かれるのが、

「性行為のあとに膀胱炎を繰り返します」

という相談です。

性行為による物理的な刺激などをきっかけに、尿道周辺の細菌が膀胱へ入り込みやすくなる場合があります。

日本泌尿器科学会・日本排尿機能学会のガイドラインでも、性交後に繰り返す再発性膀胱炎について治療・予防が検討されています。

ただし、

膀胱炎=性感染症

ではありません。

一般的な膀胱炎と、クラミジア・淋菌などによる尿道炎は別の病気です。

膀胱炎と性感染症はどう見分ける?

女性では性感染症の症状が軽いこともあるため注意が必要です。

特に、

  • 新しいパートナーとの性行為後に症状が出た

  • 排尿時に焼けるように痛い

  • おりものが変化した

  • 外陰部に違和感がある

  • 下腹部痛がある

場合などは、必要に応じてクラミジアや淋菌などの検査を行うことがあります。

日本泌尿器科学会も、排尿痛の原因として性感染症による尿道炎があり、女性では症状が軽く気づきにくい場合があるとしています。

妊娠中は膀胱炎にも注意

妊娠中は尿路感染症にも注意が必要な時期です。

妊娠に伴う身体の変化によって尿の流れが滞りやすくなるため、妊娠していない時期とは異なる配慮が必要になります。

妊娠中に、

  • 排尿痛

  • 頻尿が急に悪化した

  • 尿が濁る

  • 血尿

  • 発熱

  • 腰や背中の痛み

などがある場合には、自己判断で市販薬などを使用せず、産婦人科や泌尿器科へ相談してください。

更年期・閉経後に膀胱炎を繰り返すことも

若い頃は膀胱炎にならなかったのに、

「50代になってから何度も繰り返すようになった」

という女性もいます。

閉経後には女性ホルモンであるエストロゲンが低下します。

日本泌尿器科学会などの女性下部尿路症状診療ガイドラインでは、更年期以降は、

  • 頻尿

  • 尿意切迫感

  • 尿失禁

  • 排尿障害

  • 慢性反復性膀胱炎

などが増加するとされています。

さらに、

GSM(閉経関連泌尿生殖器症候群)

と呼ばれる状態があります。

閉経によるエストロゲン低下に伴って、腟・外陰部・尿道・膀胱周囲に変化が起こり、

  • 腟の乾燥

  • 性交痛

  • 排尿時の違和感

  • 頻尿

  • 尿路感染を繰り返す

などの症状につながることがあります。

「年齢だから仕方がない」と我慢せず、泌尿器科や婦人科に相談してください。

膀胱炎を何度も繰り返すのはなぜ?

膀胱炎を繰り返す場合、

単に「前回の薬が弱かった」というだけではありません。

例えば、

  • 性行為との関連

  • 閉経後の身体変化

  • 尿が膀胱に残っている

  • 尿路結石

  • 糖尿病

  • 尿路の形態異常

  • 他の泌尿器疾患

などが背景にある場合があります。

再発を繰り返す場合には、毎回自己判断で同じ治療を繰り返すのではなく、一度原因を調べることが重要です。

「膀胱炎だと思ったら違った」ということもある

膀胱炎に似た症状を起こす病気はいくつもあります。

過活動膀胱

突然強い尿意が起こり、トイレが近くなります。

通常、細菌感染が原因ではありません。

間質性膀胱炎・膀胱痛症候群

長期間続く頻尿や膀胱周辺の痛みなどが特徴です。

膀胱に尿がたまると痛みが強くなることがあります。

尿路結石

血尿や脇腹・腰の強い痛みなどを伴う場合があります。

性感染症

クラミジアや淋菌などでも排尿時痛が起こります。

そのため、

「膀胱炎の薬を飲んでも治らない」

という場合には別の病気も考える必要があります。

発熱+腰痛は「腎盂腎炎」に注意

ここは特に重要です。

一般的な膀胱炎では、通常、高熱などの強い全身症状は目立ちません。

しかし、

  • 38℃前後以上の発熱

  • 悪寒

  • 強い倦怠感

  • 腰・背中・脇腹の痛み

  • 吐き気・嘔吐

などがある場合には、細菌が膀胱から腎臓まで上がって腎盂腎炎を起こしている可能性があります。

日本泌尿器科学会も、膀胱炎症状に発熱や腰背部痛などを伴う場合には腎盂腎炎の可能性があり、速やかな受診が必要としています。

「膀胱炎だから数日様子を見よう」

ではなく、早めに医療機関を受診してください。

女性の血尿は「生理かな?」で終わらせない

女性の場合、

「生理の血が混ざっただけだと思った」

というケースもあります。

もちろん月経血が尿に混入する場合もあります。

しかし、明らかに尿そのものが赤い、月経時期ではないのに血尿が出る、何度も繰り返す場合には泌尿器科で確認することが大切です。

血尿は膀胱炎だけでなく、結石や腎臓・膀胱の病気でも起こります。

膀胱炎ではどんな検査をする?

基本となるのが尿検査です。

尿中の、

  • 白血球

  • 赤血球

  • 細菌

などを確認します。

必要に応じて尿培養検査を行い、どの菌が原因なのか、どの抗菌薬が効きやすいのかを調べます。

再発を繰り返す場合や血尿が続く場合には、

  • 超音波検査

  • 残尿測定

  • CT

  • その他の泌尿器科検査

を検討することもあります。

膀胱炎の治療

細菌による急性膀胱炎では、症状や尿検査などを確認したうえで抗菌薬による治療を行うことがあります。

ただし近年は薬剤耐性菌の問題もあるため、

「前にもらった抗菌薬が残っているから飲む」

といった自己判断はおすすめできません。

症状や患者さんの状態、妊娠の可能性、原因菌などによって使用する薬が変わります。

症状が改善しない場合には、尿培養などの結果を踏まえて治療を見直します。日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会の診療ガイドラインでも、尿路感染症では症状・尿検査などをもとに診断し、必要に応じて尿培養を行うことが推奨されています。

膀胱炎を予防するには?

完全に防げる方法があるわけではありませんが、日常生活では次の点を意識しましょう。

尿を長時間我慢しすぎない

仕事中などに何時間も排尿を我慢する習慣は避けましょう。

脱水にならないようにする

極端に水分を減らさず、通常の生活で適切な水分をとりましょう。

性行為後に膀胱炎を繰り返す場合は医師へ相談

何度も繰り返す場合には、再発性膀胱炎として予防方法を検討できることがあります。

閉経後の症状も我慢しない

腟の乾燥、性交痛、頻尿なども同時にある場合にはGSMが関係している可能性があります。

こんな症状なら泌尿器科を受診してください

次のような場合には、泌尿器科への受診をおすすめします。

  • 排尿すると痛い

  • 頻尿が突然始まった

  • 残尿感が続く

  • 尿が濁っている

  • 血尿が出た

  • 膀胱炎を何度も繰り返す

  • 抗菌薬を飲んでも治らない

  • 性行為のたびに症状が出る

  • 閉経後から頻繁に膀胱炎になる

そして、

発熱+腰・背中の痛み

がある場合は、腎盂腎炎などを疑い、できるだけ早く受診してください。

よくある質問

Q. 女性は一度膀胱炎になると繰り返しますか?

必ず繰り返すわけではありません。

ただし、性行為、閉経後の身体変化、尿路の問題などによって再発しやすい女性もいます。

繰り返す場合には泌尿器科で原因を確認しましょう。

Q. 膀胱炎は自然に治りますか?

軽い症状が改善するケースもありますが、症状だけで細菌感染の程度や他の病気を判断することはできません。

特に血尿、強い痛み、症状の悪化などがある場合には早めに受診してください。

Q. 膀胱炎は性行為でうつりますか?

一般的な急性膀胱炎そのものは、性感染症とは異なります。

ただし性行為をきっかけに膀胱炎が起こる女性はいます。

また、クラミジア・淋菌などでも排尿痛が起こるため、症状によっては性感染症検査を行います。

Q. 膀胱炎で血尿が出ることはありますか?

あります。

ただし血尿は膀胱炎以外にも、尿路結石や膀胱・腎臓などの病気でも起こります。

特に肉眼で分かる血尿は、一度泌尿器科で確認することをおすすめします。

Q. 更年期になってから膀胱炎を繰り返します。

閉経後のエストロゲン低下によって、腟や尿道などの環境が変化し、反復性膀胱炎などの下部尿路症状が増えることがあります。

頻尿、腟の乾燥、性交痛などもある場合には、泌尿器科や婦人科へご相談ください。

まとめ|女性の膀胱炎は「よくある病気」だからこそ我慢しない

膀胱炎は女性に非常によくみられる病気です。

代表的な症状は、

排尿痛頻尿残尿感尿の濁り血尿

です。

女性は身体の構造上、尿路感染症が起こりやすく、さらに性行為、妊娠、閉経など女性特有のライフステージが症状に関係することもあります。

そして、

「女性にはよくあるから」

と我慢してしまうのはおすすめできません。

特に、

発熱腰・背中の痛み強い倦怠感繰り返す血尿

がある場合には、膀胱炎以外の病気や腎盂腎炎なども考える必要があります。

トイレの悩みは相談しにくいものですが、泌尿器科では日常的に診療している症状です。

「これくらいで受診していいのかな?」

と思わず、気になる症状があればお気軽にご相談ください。

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